動画配信サービスを1本だけ契約している人に話を聞くと、たいてい「見たいものが減った」とこぼします。逆に4本、5本と契約している人は「毎月の請求書を見るたびにため息が出る」と言います。どちらも極端です。ちょうどいい組み合わせ方は、実は見たい作品のジャンルと視聴時間帯によって変わります。ここでは、よくある疑問を並べながら、組み合わせの考え方を整理していきます。
動画配信は1つに絞るべきか、複数契約すべきか
結論から言うと、月に映画やドラマを10本以上見る人は2本、それ以下なら1本で足りることが多いです。見る本数と契約本数のバランスが、満足度を左右します。
理由はシンプルです。配信サービスにはそれぞれ独自に配信している作品があり、1社がすべてのタイトルを揃えることはありません。国内ドラマに強いサービス、海外ドラマに強いサービス、アニメに強いサービスと、得意分野が分かれています。1本だけ契約していると、見たい作品の半分しかカバーできないという状況が起こりやすいのです。
たとえば、平日は仕事帰りに海外ドラマを1話だけ見て、週末はまとめて日本映画を見るという人がいます。この場合、海外ドラマに強いサービスを1本、邦画のラインナップが厚いサービスをもう1本という組み合わせにすると、見たいものが尽きにくくなります。月々の合計金額は上がりますが、途中で解約と再契約を繰り返すよりも手間が少なく済むこともあります。
ただし、これは「見る時間がある人」の話です。仕事や家事で忙しく、週に1本見られるかどうかという人が2本契約しても、片方はほぼ手つかずのまま月額だけ引かれていくことになります。見る本数を先に把握してから契約数を決める、という順番を間違えないことが大事です。
見放題プランと都度課金、組み合わせるならどう使い分ける?
見放題プランは「よく見るジャンルの土台」に、都度課金は「今すぐこれだけ見たい作品」に使うと無駄が出にくくなります。役割を分けて考えるのがコツです。
見放題プランは月額固定で見放題という安心感がありますが、新作映画や一部の話題作は対象外になっていることが少なくありません。一方、都度課金は見た分だけ支払う仕組みなので、月に1本だけ見たい新作があるという場合には、見放題プランに入るよりも安く済むことがあります。
具体的には、普段はドラマの一気見が中心で見放題プランに月額料金を払っている人が、話題の新作映画だけは公開から日が浅いうちに都度課金で単品購入する、という使い方です。この場合、見放題プランの契約は変えずに、月によって都度課金の支出だけが上下します。家計簿をつけている人なら、この変動分を「娯楽費の中の変動費」として別枠で管理すると把握しやすくなります。
迷いやすいのは、都度課金の作品がその後見放題プランに追加されるケースです。急いで見たい作品でなければ、少し待って見放題に入るのを待つという判断もあります。ここは、どうしても今見たいかどうかという気持ち次第で、正解は人によって違います。
家族で使うとき、アカウントはまとめる?分ける?
同居家族であれば、1つのアカウントを家族で共有するプランにまとめたほうが、総支払額は安くなることがほとんどです。ただし、視聴履歴やおすすめ表示が家族分混ざるという副作用があります。
仕組みとしては、多くのサービスが1契約で複数プロフィールを作れるようになっており、家族それぞれの視聴履歴を分けて管理できます。子ども用のプロフィールを作れば、視聴できる作品の年齢制限をかけることもできます。この機能を使わずに1つのプロフィールを家族全員で使うと、おすすめ欄が子ども向けアニメと大人向けドラマでごちゃまぜになり、見たいものを探しにくくなります。
たとえば、夫婦と小学生の子どもが1つの契約を使う場合、プロフィールを3つ作り、視聴制限を子ども用にだけかけておくと、リビングのテレビでも安心して契約を共有できます。同時視聴できる台数には上限があるサービスが多いので、家族それぞれが別の部屋で同時に見たい時間帯が重なる家庭は、この上限を事前に確認しておいたほうがいいです。
例外もあります。実家の親と契約を共有しようとすると、離れた場所からの同時アクセスを制限しているサービスもあり、規約違反にあたる場合があります。同居family向けの共有機能と、離れて暮らす家族との共有は別問題として考えたほうが安全です。
見たい作品がバラバラのとき、契約と解約はどの順番がいい?
複数の作品を追いかけているけれど予算は1本分しかない、という場合は「今シーズン見たい作品があるサービスだけ契約し、見終わったら翌月に解約する」という回し方が現実的です。同時に何本も持たず、時期をずらして乗り換える発想です。
この方法が成立するのは、多くのサービスが月単位の契約になっていて、いつ解約してもその月の分は視聴できる仕組みになっているからです。見たいドラマが完結するタイミングに合わせて解約すれば、無駄な月額を払わずに済みます。
実際の動きとしては、1月から3月まではAというサービスで海外ドラマの新シーズンを追いかけ、見終わった3月末に解約、4月からはBというサービスで別の連続ドラマを見始める、という流れです。カレンダーやスマホのメモに解約予定日を書いておくと、うっかり払い続けてしまうミスを防げます。
ここで迷うのが、無料お試し期間の扱いです。乗り換えのたびに新規登録すればお試し期間を使えることもありますが、同じサービスに出戻りする場合は対象外になっていることが多いです。この点は事前に条件を確認しないと、思っていたより早く課金が始まってしまいます。乗り換え頻度が高い人ほど、この確認は毎回省かないほうがいいです。
無料お試し期間を組み合わせて使うのは得か損か
短期間だけ見たい目的がはっきりしているなら、無料お試し期間を渡り歩く使い方は理にかなっています。ただし、これを常態化させると管理の手間が増え、結局は損をする人もいます。
お試し期間は新規ユーザーを増やすための仕組みなので、期間中に解約すれば料金は発生しません。見たい映画やドラマが1本だけあり、それがそのサービスでしか配信されていないという場合、お試し期間内に見て解約すれば実質無料で目的を達成できます。
たとえば、話題の映画1本だけを目当てに新規登録し、1週間以内に視聴を終えて解約する、という使い方をしている人は少なくありません。この方法自体は規約違反ではありませんが、解約を忘れると自動的に有料プランへ移行し、翌月の請求書に驚くことになります。解約日をスマホのリマインダーに登録しておくのは、面倒でも省かない方がいい手順です。
ここは判断が分かれるところですが、月に何度もお試し登録と解約を繰り返す人は、正直なところ手間に見合わないと感じることが多いようです。管理する契約が増えるほど、支払い方法の変更やパスワードの管理も煩雑になります。見たい作品が月に1本程度なら、都度課金で単品購入したほうが、結果的に手間も支出も少なく済む場合があります。無料お試しは「今だけ欲しい」がはっきりしているときの手段であって、日常的な視聴習慣の代わりにするものではない、というのが実感に近い結論です。

